自称大商人

　あの依頼人に、再び会うときがやってきた。
　キネンシスは、はっきり言って気が進まなかったが、何かあるのなら仕方がなかった。
　そして、依頼を聞いた。…やはり、依頼人の態度は気に入らなかった。
　キネンシスは、依頼品を持っていった。すると……。

「結局何だったんだろうな？」
　ムーティエが聞いた。
「それはわからないわよ。だけど…まだ何かありそうよね」
　シーザリオもまた、依頼人の様子には疑問を持っているようだ。
「……」
　キネンシスは、特に何も言わなかった。
『……まさかとは思うが……』
　イザヤールには、漠然とした不安があった。
　あの依頼人と関わるのは、これで終わりかもしれない。
　だが、もしかしたら、まだ何かあるかもしれない。
　そして…。
　イザヤールは、あの依頼人が、「大商人」と名乗っていることが、どこか引っかかった。何か根拠があるのか、と問われれば、そこまでになってしまうが…。
　だが、あいつは、おそらく“自称”大商人だろう、という印象があった。
　そもそも、本当に商人なら、相手に対して、あのような態度はとらないはずだ。どんな相手に対してでも、丁寧な態度で接する。それが商人ではないだろうか？　しかし、あの依頼人は、前にキネンシスに不快な思いをさせたときもそうだったが、ものすごく態度が悪かった。
　珍しいアイテムを持っていれば、それが「大商人」ということだろうか？
『…今回で終わればいい。もう、あいつには関わりたくない。そして…キネンシスを、もう、あいつとは関わらせたくない』
　実際、あの依頼人と、今後、関わることはあるのだろうか？　それは、イザヤールにもわからない。
　とにかく、今回の依頼は終了した。それだけは確実にいえることだった。



　というわけで、クエストNo.182「女神のほほえみ」をクリアして、その印象を書いてみました。
　今回は、「ものを持っていればすぐにクリアできる」ものでした。そして、あの後味の悪いクエストの続きでもありました。
　まだ何かありそうな感じがしますが、実際のところはどうなのか？　それを、師匠の視点で書いてみました。
　残すところ、クエストはあと2つです。この続きがまだあるのか、それとも、これで終わりか、それは、あと2週のお楽しみですね。

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